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チャーミーがくれたぬくもり

。。.,*´☆*☆。チャーミーがくれたぬくもり。☆*☆°;*.。。.



やっと義理父母から家族として認められたチャーミーは
娘達にとっては可愛い妹、私にとっては愛しい愛しい末っ子として
すくすくと成長して行った。


天真爛漫で優しい女の子。
猫らしくない猫だった。


部屋のどこにいても『チャーミー?』って呼べば
『ニャー。ここだよ』と言って駆け寄って来る。

ひっつき虫みたいにいつでも私の後をついて歩いた。
2階に洗濯物を干しに行く時も一緒。
私の横にピタッっとくっついて顔を見上げながら嬉しそうに歩く。

ひとりで留守番の時は帰って来た足音を察知して玄関で迎えてくれた。
そして、喉を『ゴロゴロ』鳴らして体中で『嬉しいよ~』って言ってくれる。


夜は布団から顔だけ出して腕枕で寝るのが好きだった。


おかげで私の腕はいつも疲れてパンパンだったけど
チャーミーの可愛い天使のような寝顔と穏やかな寝息は

寒い夜や悲しい夜でも
私の心をあたためてくれたの。


~幸せだった、あの頃~



外に遊びに行くのが大好きだったチャーミーは近所でも人気者だった。
あとでご近所の奥さんに聞いた話なんだけど
そのお宅のわんちゃんとも仲良しで、
その子のご飯を仲良く一緒に食べていた事もあったんだって(笑)

こんな事もあったの。

毎日決まった時間に遊びに行って決まった時間に帰ってくるはずのチャーミーが
夜になっても戻って来ない・・・
心配でたまらなくて娘と一緒に探したけどどこにもいない。
一晩中、チャーミーの出入り口。リビングの南側の窓を開けたまま
眠れない夜を過ごしたの。

でも、次の日もその次の日もチャーミーは帰って来なかった。
娘達は泣きながら似顔絵を描いてそのポスターをいたるところに貼ったの。

『迷子の猫探しています。名前はチーャミーです。
目の大きなとっても可愛いトラ猫です。
どうかチャーミーを探してください』



そして、4日後、張り紙の効果あり?で
2人の可愛い女の子に抱っこされて
車の後部座席に済まして乗っているチャーミーにやっと会えました(笑)


どうやらそこのお家の庭を歩いていた時に
娘さんたちに捕獲?されてそこのお家で生きていく事になってたらしいの。

娘さんたちはチャーミーをとても可愛がってくれていたって~。

大切そうに抱かれたあの姿を見れば
この4日間、どんなに愛してもらっていたのか聞かなくても良くわかる。

『優しくしてくれてありがとう』

女の子は口を『キュッ』っと結んで
チャーミーを私に返してくれた・・・
そして何も言わずに帰って行った。

『ごめんね、ごめんね』
走り去って行く車を見送りながら
私はそう呟くのが精一杯だった・・・

チャーミーが戻って来てくれて嬉しいはずなのに
心が『チクッ』っと痛んだのが
今でも忘れられない~。



その後、あの娘さんたちはチャーミーの可愛さが忘れられずに
“キャロットちゃん”と言う名前の猫を家族として向かえたと
お母様から連絡を頂きました~。


こうやって、私達家族だけじゃなく、たくさんの人達に愛されながら
チャーミーは2回目3回目・・・と誕生日を迎えたの。

チャーミーの誕生日は9月1日。

うちにやって来てすぐ、健康診断を兼ねて獣医さんに診て頂いた時の
体の成長具合からその時ちょうど生後1ヶ月くらいと判断された。

だから約1ヶ月前の9月1日を誕生日に決めて毎年お祝いしたんだよ。


もし今も生きていてくれれば今年で12歳のおばあちゃんになっていたんだね・・・
チャーミー。






実家の父も義理父母もチャーミーをとても可愛がってくれた。
最初の頃、“ニコリ”ともしてくれなかった義理母も
『チャーミー?』なんて声をかけてくれるほどになっていた。

誰もが抱っこした時のあの、ふわふわのぬくもりに癒された。
次女も猫大好き人間、動物大好き人間に大変身だ。

でもこれには困った事が1つ・・・



『ママ~~。猫が公園に捨てられてたから連れて来たよ~。
飼っていいでしょ?』

姉妹2人でニコニコ顔で捨てられた猫を拾っては連れて来る。

『ダメ!!!元の場所に返してきなさい!!』
すると娘はこう言った。

『鬼!!このままだったらこの子は死んじゃうかもしれないんだよ。
ママはチャーミーさえ良かったらいいわけ?!』

こう言われると返す言葉がなくなる・・・
『でも捨て猫を全部うちで飼うわけにはいかないんだよ。
そんな事したらおばあちゃん、ひっくり返っちゃうよ』と説得するが説得力無し・・・



チャーミーも元は捨てられた猫だった。
生後1ヶ月で人間の勝手で無責任に捨てられた。

あのまま誰かが手を差し伸べなかったらあの子はどうなっていただろう~。

無責任な大人達には本当に腹がたつ。

でも、目の前に捨てられた猫がいるのに
こうやって見て見ないふりをする私だって彼らと同じかも知れない。

娘達の言う通りだ~。



娘達は子猫を飼ってくれるお家を1軒1軒探し歩いた。
地道な努力だった。
そして友達と協力し合って、とうとう自分達の力だけで
子猫の新しいおうちを見つけ出した。



子供の心は純真でとても綺麗だ。

私にもあんなに純真な頃があったなと遠い記憶を思い出す。
今、心が汚れてしまった大人達にだって

あんな時代はあったはずなのに・・・




秋。

長女は中学3年、次女は2年になっていた。

チャーミーは7歳になったばかりの秋だった・・・・

相変わらず子猫のように私の手にじゃれて遊ぶ可愛いチャーミー。
この子がいてくれるおかげで喜びは2倍にも3倍にもなり
寂しさは半分になった。

泣き虫の私はテレビでちょっと悲しい場面になっただけで
ポロポロと涙を流す。

そんな時はチャーミーが『ママ、私がここにいるよ!』って
涙をペロペロ舐めてくれた。
どんな時もお気に入りのソファーで寄り添い私を守ってくれた。

~私は幸せだ~



こんな幸せがずっと続いて行く・・・・・

あの日が来るまでそう信じていた私だった・・・・



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